20センチュリーウーマン
- 出版社/メーカー: LIONSGATE
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1979年、サンタバーバラ。
シングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、思春期を迎える息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育に悩んでいた。ある日ドロシアはルームシェアで暮らすパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)と、近所に住む幼馴染みで友達以上恋人未満の関係、ジュリー(エル・ファニング)に「複雑な時代を生きるのは難しい。彼を助けてやって」とお願いする。15歳のジェイミーと、彼女たちの特別な夏がはじまった。(公式サイトより)
息子から母へ、20世紀へ
愛慕を込めたホームビデオのような映画
母ドロシアはキャリアウーマンでこだわりも強く、20世紀という激動の時代をたくましく生きてきた。ヘビースモーカーで職場も男の人ばかり。まさに自立した強い女性。
40歳でジェイミーを産んだこともあり、自分と息子は全く違う時代を生きていて、自分は古い時代の人間だと自覚している。
普通親と子の世代なんて違うものだけど、変動と革新の時代を切り開いてきたからこそ、ドロシアはそういう意識が強いと思う。息子が分からない と、他の女性も巻き込んで試行錯誤するのも、なんていうか不器用。
思春期の、ましてや男の子なんてすれ違わない訳がないのに。
息子との言い合いの後、1人で泣き崩れるシーンが印象的だった。強い母の弱々しい背中、決してそれを見せない所。私の母を思い出した。
不器用ながらも息子の見る世界を理解しようとする姿がなんだか愛しくて切なかった
もちろん息子ジェイミー自身も悩んだり戸惑ったり、迷いながらも色んなことを学んで成長していく。そんな彼に気づかされて、3人の20センチュリーウーマンもそれぞれに変化する。
彼が1番素直に母(女性)を肯定しようと努めたのが良かった。多分彼は、母が1人で泣いていたこと 強く在ろうとする女性達の脆さをどこかで感じていたんだと思う。繊細で優しい心の持ち主だから
結構生々しい性描写もあるけど、登場人物が真面目過ぎるほど真面目に向き合ってるから特に気にならなかった。
息子の母に対する思いって、娘のそれとちょっと違う気がする。この作品は監督マイク・ミルズが自身の母親をモデルに作ったそうで、全体的に流れるドキュメンタリーっぽさも、母親に対する肯定と愛情も、少し納得。
何歳になっても息子は息子なのかもしれない…
私はほとんど20世紀という時代を知らないけれど、淡々と流れる映像も音楽も、どことなく懐かしい気持ちになるような映画だった。きっと誰でも母親を思い出すんだろうな
個人的に食事会のシーンとラストがお気に入りです。ジュリー役のエルファニングも大好きな女優の1人です。
初回からこんなに書いてしまってどうしようという気持ち 最近見て、比較的書きやすそうだったから…
ベストまではいかないけど心に留めておきたい映画 75/100