映画と犬と優しい世界(仮)

好きな映画について好きなことを書きます。ヒューマンドラマ,ラブストーリー,ファンタジーetc

ミッドナイト・イン・パリ

 

 

 ストーリー

2010年夏、ハリウッドの売れっ子脚本家ギルは、婚約者のイネズとその両親とともに憧れの街パリにやって来た。それなのにどこか満たされない彼は、本格的な作家に転身し、ボヘミアンな人生を夢見ている。一方、現実主義者のイネズマリブでの安定したリッチな生活を主張して譲らない。そんなふたりの前にイネズの男友達ポールが出現。何かにつけて歴史や芸術のウンチクをひけらかすポールは、イネズと水入らずでパリを満喫しようとしていたギルにとって、お邪魔虫以外の何者でもなかった。そんなギルが深夜0時を告げる鐘の音に導かれ、さまよい込んだ先は、活気漲る芸術&文化が花開いた1920年代だった!これは夢か、はたまた幻かと驚くギルの前に、次から次へと高名なる人物を名乗る面々と、官能的な美女アドリアナが現れて……。(公式サイトより)

 

ウディ・アレン作品とのファーストタッチ

理想郷と雨に思いを馳せて

 最初に目に付くのが、ギルのロマンチスト加減とイネズのリアリストさ。正反対な二人をみてると、憧れのパリで浮かれすぎてるギルの言動は多少偏屈だし、彼女の両親の前で、ましてや結婚直前なんだからもう少ししっかりしてよ!と女性目線では言いたくなるけど、ギルのこともそう責められない。なぜなら私もロマンチックに思いを馳せたがりだから。ギルの何かにつけて「せっかくだから」という気持ち、わ、わかる… 雨が降ったらそんなパリも美しいと歩きたがるギルと、さっさと車に乗り込んでしまうイネズ。エッフェル塔ヴェルサイユも’恋人と二人で’というシチュエーション込みで楽しみたいのに、相手にされないのは悲しい… 

  深夜0時、鐘の音と共にアンティークカーに乗り込み…って設定がなおさらロマンチックでドキドキする。煌びやかな装飾、歌、憧れの人々、恋い焦がれた時代の空気に触れられたならなんて素敵な気分なんだろう!

 個人的にはパリの街の灯りがとても好き。Singin' in the Rainで植え付けられたイメージからあのタイプの街灯をみると思わず登って歌いたくなる。(確認したらSingin' in the Rainの街灯とパリでは少し形が違うけど、まぁ 絵になるような物を、わたしは登って歌うタイプの街灯と呼んでいる) 

あれが雨の中ぼんやり灯され、石畳みやセーヌ川に映る…言うまでもなく雨が降ったら歩きたいギル派。

 

ヘミングウェイの他にもピカソやダリなど歴史上有名な人達が沢山でてくるけど、文学や美術、歴史にもう少し知識があればより楽しめたんだろうなぁ、もっと知りたい。もちろん無くても面白かった。(こうやって映画を通して興味・知識が広がるのも楽しみの一つ)

 

 いつの時代も、過去に憧れを持ち自分の理想郷に思いを馳せる。ギルは夢のような夜を繰り返しこの事に気付く。 憧れた時代の人々が、この時代はつまらない、昔の方が良いと言ったら少しショックかもしれない。けれどこの映画は、過去に執着するのを咎めるわけでも今の良いところを探せとも言わない。情緒的に、幻想的に、流れゆくまま美しいパリをみせてくれる。

 

余談

イネズ役のレイチェル・マクアダムスはラブストーリーに沢山でてて、毎回すごく感情的なイメージ。笑 でも彼女の演じるカップル、(上手くいってる時期は)可愛くて可愛くて…アバウト・タイムや君に読む物語など名作ぞろいです。

 

特に大きな事件も感動もないし、特に良いという訳じゃないけど綺麗な画面とロマンチック思考が止まらなくなるのはウディ・アレンのなす技なのか… 他の作品も観たくなった 60/100